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国際海底機構の国際会議を初めて日本で開催

深海底鉱物資源開発のための環境管理に関するワークショップ
~国際海底機構によるルール策定に貢献~

2024年5月


深海資源開発株式会社(東京都中央区)は、2024年2月19日~2月23日、国際海底機構及び独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 と共同で、深海底に分布する鉱物資源の開発に向けた環境管理に関するワークショップを開催しました。ワークショップでの議論の内容や、それに基づいて提案された北西太平洋の環境管理手法は、深海底の鉱物資源開発に関するルール作りに活用されることを期待しています。

開会式での写真

開会式での写真


深海資源開発株式会社(以下「DORD」という。)(東京都中央区)は、2024年2月19日~2月23日の5日間、東京ミッドタウンホール&カンファレンスにおいて、深海底の鉱物資源に関係した活動を管理する国際機関である国際海底機構(International Seabed Authority。以下、「ISA」という。)及び独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(以下「JOGMEC」という。)と共同で「Workshop on the Development of a Regional Environmental Management Plan for the Area of the Northwest Pacific」(以下、「REMPワークショップ」という。)を開催しました。

現在、ISAでは、探査鉱区内に限らず、その周辺を含めた地域全体の環境管理及び生物多様性保全のための計画を検討しています。これがREMPです。本ワークショップの対象域以外にも、ハワイ沖にあるクラリオン・クリッパートン断裂帯で囲まれた海域(CCZ)(策定済み)、北大西洋中央海嶺(nMAR)、及び中央インド海嶺及び海盆のREMPなどが検討されています。REMPとして大切なのは、地域特性に応じた計画であることであり、本ワークショップでも、北西太平洋の環境特性を考慮したうえで、累積影響の評価方法や海洋保護区の位置やサイズを検討しました。

今回は、そのうちの「北西太平洋域」の深海底に関するもので、当該海域では、日本、中国、韓国及びロシアの4か国の事業者(コントラクター)が、それぞれISAとの探査契約に基づき、コバルトリッチクラストやマンガン団塊の排他的な探査権を有し、資源量調査や環境調査などの活動を行っています。
北西太平洋のREMPの策定に向けた本ワークショップは、2019年の中国・青島、2021年の韓国(COVID-19によりオンライン開催)に続き、今回で3回目の会合となります。
会議には、国内(弊社)を含め約15ヵ国40名の環境、海洋科学、地質学、法律などの専門家が参加しました。また、開会式にはこれら専門家に加え、ISA事務局、ISAのコントラクターで今回の共同主催者であるJOGMEC及びDORD、関係省庁(経済産業省、外務省)、国内研究機関(国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下、「JAMSTEC」という。)などから約70名が参加しました。本ワークショップでは、日本を含む様々な国・地域の専門家が一堂に会し、REMP策定に向けた科学的情報を共有するとともに、対象海域の保全区域の候補について、科学的な観点から議論が行われました。
開会式でのISAのマイケル・ロッジ事務局長はその挨拶で、「深海底における資源の責任ある探査と開発を確実にするため、国際社会の専門知識を結集させ、利用可能な最良の科学に基づいて継続的な努力が必要である。」「今北西太平洋のREMPの策定は、国連海洋法条約に謳われている原則に対する私たちの揺るぎないコミットメントを強調するものです。これは、全人類の利益のために海洋環境を保護するために、最も効果的なツールと協力的なアプローチを展開するというISAの献身的な例です。」と述べられました。

国際海底機構 Michael W. Lodge事務局長

国際海底機構 Michael W. Lodge事務局長


また、弊社の大場社長は、開会式で、海洋環境の保護と海洋生物多様性の保全を支援する当該ワークショップの重要性を強調するとともに、「ワークショップの議論が北西太平洋地域の海洋環境の保全に向けて進展し、REMP の発展に協力・貢献していきたい。」との決意を表明しました。

深海資源開発株式会社 大場社長

深海資源開発株式会社 大場社長


ロッジ事務局長は、ワークショップに参加した後に、海洋産業向けの講演会にも参加するとともに、弊社社長を含む、外務大臣、経済産業省審議官、JOGMEC理事長、JAMSTEC理事長、神戸大学長など、積極的に国内のハイレベルの関係者と面談を行い、協力に向けた合意書(MOU)にも調印するなど、日本滞在中に多くの成果があったことを強調しました。

※ 国際海底機構(ISA)

国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、同条約の全ての締約国を構成国として、1994年に設立された国際機関(本部:ジャマイカ・キングストン)。全ての構成国(168ヵ国及び欧州連合)が参加する最高機関の総会、実質的な執行機関であり36の理事国が参加する理事会、理事会の諮問機関である法律・技術委員会及び財政委員会からなり、「人類の共同の財産」である深海底(排他的経済水域及び大陸棚の外側の海底とその地下)の鉱物資源の管理を主な目的として活動しています。
その一環として、深海底における排他的探査権を付与しており、日本では弊社が2001年にハワイ沖のマンガン団塊、JOGMECが2014年に南鳥島沖北西太平洋のコバルトリッチクラストを対象とした探査契約をそれぞれISAと締結しています。

※ 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構

独立行政法人エネルギー・鉱物資源機構法に基づき、石油及び可燃性天然ガスの探鉱等、石炭の探鉱、水素の製造等、地熱の探査並びに金属鉱物の探鉱等に必要な資金の供給並びに風力の利用に必要な風の状況の調査その他石油及び可燃性天然ガス資源、石炭資源、水素資源、地熱資源、風力資源並びに金属鉱物資源の開発を促進するために必要な業務並びに石油及び金属鉱産物の備蓄に必要な業務を行い、もって石油等、石炭、水素、地熱、風力及び金属鉱産物の安定的かつ低廉な供給に資するとともに、金属鉱業等による鉱害の防止に必要な資金の貸付けその他の業務を行い、もって国民の健康の保護及び生活環境の保全並びに金属鉱業等の健全な発展に寄与することを目的に活動しています。

この記事に関するお問い合わせ先

深海資源開発株式会社 海外業務部 岡本、石山
電話 03-5614-7212(代表)



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