開発へのアプローチ
深海底鉱物資源開発への課題
深海底から採取した
マンガン団塊の断面図
- 資源評価のための鉱量、品位、賦存状況などの詳細な調査
- 鉱床の賦存状況に対応した採鉱、揚鉱技術の開発
- 鉱石の特性に対応した選鉱・製錬技術の開発
- 海洋環境評価と生態系保護のための対策
- 関連する法令等の整備
などが必要です。これらの技術や開発体制が総合的に確立され、陸上資源と経済的に競争できる見通しができた時、本格的な商業生産に移行できることになります。
これまでは、広範な海域における深海底鉱物資源の賦存を確認するための概査を行ってきましたが、次の段階として、本格的埋蔵資源の経済性などの評価を行うための資源調査が必要となっています。マンガン団塊のほかにも、コバルトリッチ・クラスト、海底熱水鉱床などが次々に発見され、レアメタルや白金族金属などの重要性が高まるなかで、今後の開発への期待は社会的に高まっています。
環境影響調査とは
生物採集用ネット
マルチプルコアラ(MC)
深海底の鉱業活動においては、地球環境保護の観点から、十分な環境保全対策が必要です。そのために、海洋環境への及ぼす影響を予測し、環境保全の基準づくりと万全な対策を検討します。わが国では、マンガン団塊賦存地域について、環境影響調査を実施しており、海域の生態系の変化を予測するモデルの研究、海底かく乱実験のデータを基に、採鉱活動によって生じる海底泥の拡散状況を予測するモデルの検討などを行っています。
自律型無人潜水機(AUV)(写真提供:深田サルベージ建設(株))